諏訪ささら(Q&A)
 Q 諏訪ささらとは?
  A 諏訪神社の出社祭礼の際に奉納され、渡御行列の露払いの役を務める3匹獅子舞である。
諏訪散々楽は、昭和45年4月に、茨城県の無形文化財に指定された。
Q 諏訪ささら舞 披露までの流れ
   A (1)ささらを舞う子どもの選定・・・獅子3名としゃぐま2名を小学生男子から決める。

(2)練習スケジュール決定・・・3か月間の練習日を決める。週5日~6日の練習を実施

(3)練習・・・①獅子は、太鼓を胴体につけ、しゃぐまは豆太鼓と錫杖をもって練習する。
         ②慣れてきたら、獅子頭をつけて練習する。
         ③本番直前は、獅子頭と衣装をつけて、しゃぐまは化粧もして、本番同様の恰好で練習する。

(4)獅子頭あわせ・・・獅子は頭を振りながら舞うので、しっかり頭に固定できるように工夫する。
           
(5)衣装合わせ・・・まず、衣装を着せて、サイズが合うか確認するとともに、しゃぐまのおはしょりなどを調整する。
             衣装の調整が済んだら、本番同様に着付けする。しゃぐまは化粧もする。
             特に、しゃぐまの衣装は、着付けがむずかしく、詳しい女性達が数人で着付けする。
             笛、警護、氏子総代も衣装合わせをする。

(6)本番当日の準備・・・早朝から、諏訪神社社務所に集合し、順次衣装を着付けする。

(7)諏訪神社での奉納・・・衣装の着付け等は終わると、境内に張った結界の中で、ささら舞を奉納する。

(8)諏訪交流センターでの披露・・・諏訪交流センターに移動し、交流センター内の広場で、ささら舞を披露する。


 Q 諏訪ささらを舞う子ども
  A 大獅子(おおじし)1人、中獅子(なかじし)1人、雌獅子(めじし)1人、しゃぐま2人の5人で舞う。
獅子には小学4、5年生、しゃぐまには小学2、3年生の男の子がつとめるのが通例であるが、今回は、獅子4年生、しゃぐまは、1、2年生が務めている。3年間は、この子どもたちがささら舞を担当する。
少子化のため、舞子をみつけるのが、大変になっている。
獅子役、しゃぐま役にに選ばれた子どもの家の門口には、注連縄(しめなわ)を張り、清浄潔斎(けっさい)に心がける。


 Q 諏訪ささらの演技の種類と内容は?
  A
  名    称 内      容
(1)  渡り(わたり)  神様が渡御(とぎょ)すること
(2)  摺り込み(すりこみ) 神様にお願いごとを申し込むこと
(3)  獅子掛り(ししがかり) いまから獅子舞い(ししまい)を始めますよ
(4)  猛処(もうどころ) 獅子が岩の穴から出たり入ったりあれくるうこと
(5)  歌舞(うたまい) 神様を敬い(うやまい)、頭を地につけるほどお辞儀をする。
(6)  廻れ車(まわれぐるま) お米がとれる年、とれない年もあるが、村はいつも豊年で太平(平和なこと)でありますようにと願う。
(7)  ひひかたかたとうれろれ 天地にはいろいろなものが生きているが、青天も雨も適度に十分あるように、そしてかたよらないように願う。
(8)  雌獅子隠し(めじしかくし) 大獅子と中獅子が雌獅子の取り合いでけんかをするが、最後は話し合いで円満におさまり、仲良くなる。
(9)  歌舞(うたまい) (5)と同じ(上諏訪神社に対する舞)
(10)  ひひかたかたとうどのめ 村人は顔かたちはみな違うが、神様にささげる気持ちは同じであり、穏やかな世の中であるように願う。
(11)  岡崎とうどのめ 田や畑の仕事にせいを出しているが、けがや病気をせず、いっぱい収穫があるように斎女(女神)にお願いする。
(12)  於百羅々天
  (おひゃららてん)
多くの人たちが話し合いをして不公平をなくし、取りこぼしのないようにし、円満に解決しましように。
    (1)から(6)までを前庭(まえにわ)、(7)以降を後庭(あとにわ)といい、それぞれを半庭という。
    (1)から(12)まで通して舞うことを、一庭(ひとにわ)摺る(する)といい、約40分を要する。 ※1



 Q 諏訪ささらの獅子頭の見分け方
  A  大獅子は口を閉じており、中獅子は少し口が開いている。
 雌獅子はお歯黒を塗っているので、歯の色で見分ける。



 Q 諏訪ささらの衣装と持ち物
  A  
 獅子の衣装 紺絣(こんかすり)の上着に、格子縞のかるさん(細身の袴)をはき、うこん色の脚絆(きゃはん)と足袋にわらじをはく。
こうがけは、木綿の紺地に大柄の唐草模様を染め抜いたものである。
また顔の部分は白の麻地で、外が見えるようになっている。
 しゃぐまの衣装 他のささらと同様である。
 笛吹き 純白の上衣にあさぎ色(ごく薄い藍色)の袴をはく。
 警護  紋付羽織袴に騎者笠をかぶり、青竹の杖を持つ。 
 ※1


 Q 諏訪ささらの練習場所と期間は?
  A 練習は、諏訪コミュニティセンターで行い、期間は約3か月間、週に5日程度練習する。



 Q 諏訪ささらの伝承の仕組み
  A 舞の伝承は、諏訪ささら保存会を中心に、行っている。
獅子舞としゃぐま舞それぞれに指導者がいて、丁寧に指導している。
また、今までの経験者も練習場所に顔を出し、指導者を手伝っている。


 Q 諏訪ささらの構成
   A 大獅子1人、中獅子1人、雌獅子1人、しゃぐま2人、笛10人、警護2人より成り、氏子総代、保存会会長、顧問などが付き添う。 ※1


 Q 諏訪ささらの保存会
   A 正式名称は、諏訪神社諏訪散々楽(ささら)保存会と称する。
創立は昭和39年5月であり、これによって、永く途絶えていた諏訪ささらが後世に伝承できるようになった。


 Q 諏訪ささらの獅子頭等の保存は?
   A 獅子頭は、年1回、郷土博物館で燻蒸を行っている。
獅子の毛は、東天紅の羽で作られており、1本数千円するほど高価なため、羽が抜けたり、折れたりしないように大切に取り扱っている。

 
 
 ※1 出典 『日立市の文化財』記念図書館蔵より
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