十王ダム周辺の5億年前の地層と岩石

十王川が多賀山地から平野に出る場所、十王ダム周辺には5億年前の地層や岩石があります。
 ・場所 日立市十王町髙原、十王町友部
 ・取材 きららホームページの会(近藤・菊池・宇梶)
 ・期日 令和2年7月29日(水)、 追加:8月15日(土)


十王ダムは昭和61年ダム基礎工事が開始され平成6年3月完成しました。ダムは台風等による水害防止の治水対策、日立市への上水道用水の供給、工業用水の供給、十王川下流の耕地のかんがい用水として流水機能維持を目的に作られました。ダム周辺は5億年前のカンブリア地層や岩石が見られます。


十王ダムの総貯水容量は286万立方メートルで県下でも屈指の大規模ダムで、豊かな水をたたえるダム湖は十王湖と名付けられました。


十王パノラマ公園下の駐車場の十王湖側に「おむすび」のような岩石があります。これは蛇紋岩が露頭したものです。蛇紋岩はカンラン岩が変成(高温や高圧を受けた)したものです。岩の右手に噴水が見えます。

十王湖には遊歩道を歩いて行く芝生広場があります。そこから見える湖面対岸の岩肌は変成花崗岩です。


平成5年4月、十王パノラマ公園が開園しました。公園への車道の登り口に大きな岩石の標識があります。


十王パノラマ公園は石尊山から続く5億年前の変成花崗岩でできています。公園には高さ20メートルの展望塔があり、ダム湖を望むことができます。


十王パノラマ公園入口から車で石尊山へ500mほどの位置に谷道の滝入口があります。そこから歩いて400mの所に谷道(やどう)の滝があります。滝の岩肌は5億年前の花崗岩でできています。


谷道の滝の滝口の大岩には石の祠があります。永久に変わらぬ滝を見守っているようです。


十王ダムの下に川尻川発電所があります。発電所の前でダムからの放流が見られました。発電所前の十王川沿いの岸には5億年前の変成流紋岩が見られます。この変成流紋岩には落石防止ネットが張られています。(8/15撮影)


十王ダムの下の十王川沿いの岸は変成流紋岩が見られます。変成流紋岩はシリカの含有が多い白い岩で、火山で急冷され再び高温や高圧の状態になったものです。(8/15撮影)

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