昭和・平成・令和 |
宇梶 秀夫 令和元年5月 |
昭和60年頃、日立市にある工場に国産初のベクトル型スーパーコンピュ-タS-810が導入された。この機の導入にあたって、会社
決済の申請や、利用技術の開発に係わった。その一つが有限要素法という演算プロプログラムで、構造物を微細に区切って力と変形の連続性を条件に解析するも
のである。有限要素法は、ベクトル形スーパーコンピュータが処理時間を早くするために有効であった。その一つは米国MITの教授が開発したプログラムで、
それまでの大型計算機での実用化していたが、それを更に処理時間を短くするのである。計算時間を短くすることは、計算費の削減や計算モデルを大きくできる
などのメリットがあった。 この時の職場は工場正門に近かった。ある日、皇太子の工場視察があり、正門から玄関までお出迎えの列に入った。迎えに立った場所は正門入口際で、御車の 窓を開けて皇太子が笑顔で手を振って目の前を通られた。間近での皇太子拝顔ができたのである。その日、皇太子は工場で昼食を召し上がった。ご昼食には工場 で働く数人がご一緒した。職場には入社間もない女性がいた。この女性が皇太子のご昼食に同席できたのである。席に戻った時に、どうだったかを聞いた。仕事 の内容を皇太子がお尋ねになり、スーパーコンピュータの仕組みを簡単に説明できたということだった。 昭和の皇太子が平成天皇になられ30年間を平和な日本を導き、今月上皇となられた。本日、令和の天皇が最初の国賓を迎えて、天皇皇后両陛下が通訳を介さ ないで会話されているお姿をテレビで見ながら、新しい令和時代に期待を持った。 |