出羽三山と弥彦神社詣で
 江田 実
  8月26日からの出羽三山参詣の楽しい旅に参加する機会に恵まれた。
 私はこ の時の強い印象が忘れられず、十月一日から三日にかけて再び、妻と日頃御好誼頂いている竹林先生ご夫妻を連れ立ち『出羽三山と弥彦神社詣で』に出かけた。

 日立を6時に発ち、常磐道、磐越道、東北道、山形道とハイウエイを走りぬけ、道の駅「寒河江」で小休止し、月山湖の脇、道の駅「にしかわ」で、日本一の100・まで吹き上げる噴水を見ながら、早めの昼食をとった。およそ11時である。

 日立を出てからあまり良い天気ではなかったが、湯殿山に近ずくにつれ、雲が切れてきた。月山トンネルをぬけ、湯殿山有料道路に入る。終点の駐車場に車を停め、バスに乗り換える。
 客は30パーセントぐらい。湯殿山神社で履物を脱ぎ、お祓をうけ、黄褐色の熱湯の湧出する御神体に歩む。

       語られぬ湯殿にぬらす袂かな  芭蕉
       湯殿山銭ふむ道の泪かな    芭蕉
 
 妻たちは参拝出来た喜びにいささか興奮気味である。大きな鳥居を潜り、バスで下る。 注連寺に向かう。
 弘法大師空海の開創の湯殿山注連寺を参詣する。若い方丈は私を見て
すぐ先日来たことを認めた。木彫弘法大師空海、本尊胎蔵界大日如来像および即身仏鉄門海上人の説明を聞く。信仰の偉大さと共に恐ろしさに驚愕した。寺の窓から月山がきれいに大きな姿を見せた。女人禁制の山の由来を聞い た。山を下り、一気に羽黒に向かった。
 
 宿舎は休暇村羽黒である。二日目の朝、 天候は良くない。ビジターセンターの脇から、月山登山道路を走り、月山8合目 まで上がった。

        雲の峰幾つ崩て月の山    芭蕉
 
 濃い霧と風のため一歩も歩けない。目の前にした月山を諦め、下山した。
車で羽 黒山有料道路に入り山頂駐車場に停め三神合祭殿を詣でる。鏡池、蜂子皇子の墓、などを見て帰路につくが、三人は2446段の階段を下りることになった。
 三人を見送ったあと私は再び羽黒山有料道路を下り、いでは文化記念館の駐車場に車を廻した。
 さっそく、私も皆を向かえに石段に向かった。随神門、継子坂、祓川橋を過ぎ私の足は快調に進んだ。爺杉、国宝五重の塔、一の坂、油こぼしの二の坂の途中で下りてきた三人を
向かえた。登る石段、下る石段この二つを体験 した。

 出羽三山の参拝を終え、鶴岡に向かった。街は通過して、7号線、345 号線を走り夕方、瀬波はまなす荘に入る。日本海は雲がかかり、期待の夕陽も駄目である。

 3日目、新潟、越後一宮弥彦神社まで飛ばした。「おやひこさま」天照大御神の御曽孫
天香山命を祀る、万葉集にも歌われた、越後開発の神様である。本殿には菊の紋章がある。
 うっ蒼たる樹林に覆われた弥彦山にある。

 帰りは およそ5時間ハイウエイを走りまくって今回の旅を終えた。


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