土浦八景
土浦市の亀城公園内にある土浦市立博物館(左写真)には、
土浦八景を描いた「草くさ集」が収蔵されています。
これは江戸時代の俳人内田野帆(やはん)が選んだもので、
彼の3回忌(安政4年,1857)に門人たちがまとめたものです。
その八景とこれに因んだ俳句は次の通りです。(左下写真)
銭亀夕照 ゆふたちや日の暮直す橋の反
下田落雁 雁落る音に雁たつ下田かな
神龍寺晩鐘 寒き夜のひとちからなり鐘の音
霞浦秋月 是とても春は霞む歟浦(かのうら)の月
鷲宮夜雨 寝こころや神楽のあとの雨の音
桜橋晴嵐 魚さばく声から晴てきりの朝
川口帰帆 帰る帆に向かふて出すや涼み舟
北門暮雪 降暮し雪やともかく関の前
なお土浦の二十三夜尊には次に示す「霞浦八景」の絵を写した扁額が納められています。
その背面には沼尻墨僊が御絵師岡部富保が描いたものだと記しています。
原画は静嘉堂文庫が所蔵しています。(右下写真)
銭亀夕照、田面落雁、照井晩鐘、小松秋月、
田村夜雨、高津晴嵐、霞浦帰帆、筑波暮雪
これらの八景図は平成年10月−11月に行われた上記博物館の企画展「風景を描く」で
展示されました。
また、柳生四郎氏の著書「茨城の八景」(1992、筑波書林)にも紹介されています。
「草くさ集」の土浦八景図 霞浦八景図より「高津晴嵐}
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