中里小学校 (日立市)
2005年.6月作成

 小学校は日立市の中心から西へ、本山トンネルを越えた反対側の国道349号との交点近くに、中学校とほぼ向かい合って建っています。3階建ての校舎と大きい体育館を持った立派な学校です。しかしながら、ここにも過疎・小子化の影響が押し寄せています。今年の児童数を併設されている幼稚園児と 一緒に示します。

  6年 5年 4年 3年 2年 1年 年長 年少
児童園児数 13 12 10 13 2 9 7 8

 中里小学校は近隣の小学校と合併を繰り返しながら今日の姿になりました。以前に栄えていた日立鉱山の廃坑と全国的な地方の過疎化傾向によるものと考えられます。2年生と3年生は複式授業です。向かい側に位置する中学校もこの小学校からしか入りませんからほぼ同じ状況のようです。 なお、遠距離の児童のためにはスクールバスが中学校と共同で運行されています。

 お話を伺いますと、児童数の少ない学校の利点も多いそうです。まず、一人の先生がみる児童数が少ないため行き届いた指導ができる。父兄もお互い顔見知りなのでPTA活動も積極的に参加する。修学旅行もバスではなく一般公共交通機関利用なので社会生活の実際を体験できる。学校施設も余裕が十分あるなどです。
 逆に課題として大勢の人にもまれて成長する経験が出来ないため、周りとの競争・新しい友を得るなどのことが苦手の子供になる恐れがあることなどがあげられました。


授業風景

クラスの生徒は二人

図書室

パソコン教室

 他の学校に真似しにくい行事として次のようなものがあるそうです。
「繭玉祭り」:農村の伝統行事ですが、ここでは父兄も集まり、餅つき、飾りつけをしています。
「学校での水田耕作体験」:児童たちにより田植えから刈り取りまでの体験をしています。また、収穫後、父親がカレーを作り、母親と児童に提供することも行われています。
「鮭の稚魚の放流」:稚魚の放流は各地で盛んに行われていますが、ここでは卵をもらい、その孵化、育成から里川への放流までを体験しています。
 このような学校教育を受けた児童たちは人間性豊かに育っていくことでしょう。社会生活に慣れる訓練と将来の小子化が更に進んだ場合の対応が課題のようです。

過疎の里小学校はピッカピカ    ひでお
 


体育の時間

体育館と校庭

学校の田植え

鮭の稚魚放流

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