大正6年2月、共楽館は、江戸女形最後の名優 といわれた四世沢村源之助一行を招き、華麗 な舞台開きが行われた。 東京の歌舞伎座を模した本格的な芝居小屋で 回り舞台、花道を備え、大歌舞伎から大相撲 までを可能とする建坪338坪に及ぶ大ホール であった。 昭和17年の六代目尾上菊五郎の来演の際には 四千人の観客を収容したという。 共楽館は 日立市民にも広く開放され、学校教育とも 深い関わりを持ち児童映画会、学芸会、音楽 会などが恒例行事として催された。 特に戦後、 映画の黄金時代を格安の料金で共楽館で 過ごした人は多い。 昭和42年、日立市に寄贈された共楽館は 舞台を撤去して日立武道館となった。しかし 正面に二つの唐破風を擁したその偉容は健在で ある。 平成11年7月、共楽館は後世に残す べき建造物として評価され国の有形文化財と して登録された。 また、平成23年には屋根部分の本格的修理が行われた。 この共楽館は、登録文化財の建造物が 活用されている事例のひとつである。 |
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この先人の残してくれた貴重な財産である共楽館を元の姿に 戻し、日立の新たな情報発信基地として活用し、復元・活用を 推進して21世紀にふさわしい「まちづくり」を目指すべく、 平成5年2月に「共楽館を考える集い」(貴島光彦会長、 市毛環事務局長)が発足した。 現在「全国芝居小屋連絡協議会」には、共楽館のほかに 秋田県小坂町康楽館 ・群馬県大間々町ながめ余興場 岐阜県加子母村明治座・愛知県犬山市呉服座・広島県上下町 翁座・香川県琴平町金丸座・愛媛県内子町内子座・福岡県飯塚市 嘉穂劇場・熊本県山鹿市八千代座などが加入している。 (作成:「共楽館を考える集い」) |
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